輝きの正体 ラブライブサンシャイン2期7話 感想・考察

地区予選に勝ち、決勝進出はできたものの、学校の存続には及ばず・・・

どこまで行っても何かしらの壁が彼女たちには立ちはだかります。

 

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僕の予想では、流石に二度も地区予選に敗退することはないだろうと思っていました。彼女たちの知名度は上がっているし、努力だって重ねてきました。千歌はあのパフォーマンスを成功させましたし。アイドルアニメなのにアイドルの大会に負けまくるのもどうかなあといった気持ちもあっての予想でもありましたが・・・。

しかし、決勝進出できた代わりに学校存続の夢は叶えられない展開になるのではと思っていました。学校はあきらめざるを得ない状況に・・・だけどその分ラブライブ絶対優勝する!浦の星として最後の思い出を悔いのないように・・・!そんな展開かなーと、7話の予告を見た時予測していました。それはほぼ当たっていました。ですが、僕も人間なので完璧な予測なんて当然できません。7話を見て、「なるほど・・・!!そう来たか!!」と思わされた部分ももちろんあります。今回の記事はそこを中心に書きたいと思います。

 

参考に。僕が6話を見た後に呟いた7話の予測ツイート

 

 

冒頭長くなりましたがとりあえずあらすじ・・・

地区予選に勝利し、決勝進出したAqours。しかし、その日に入学希望者が100人にならないと統廃合が決定してしまうという切迫した状況に・・・。鞠莉のお父さんに最後のお願いとして翌朝の5時までは待ってもらえたが、98人でストップ・・・。統廃合は決定し、千歌たちは悲しみに暮れたが、そんな時に浦の星の生徒たちが千歌たちに託した願いは、ラブライブで優勝し、浦の星の名前をラブライブの歴史に残してほしい、ということだった。

 

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千歌がずっと言ってきた「輝き」の正体

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アニメ1期1話のタイトル「輝きたい!!」をはじめ、あらゆるところで千歌が言い続けてきた「輝き」という言葉。彼女たちのファーストシングルのタイトルが「君の心は輝いてるかい?」であったり、1期のBD6巻の特典曲「スリリングワンウェイ」の冒頭で千歌が「私たち、輝きたい!!」と叫んでいたりと、曲の中にも数回出てくるほど、ラブライブサンシャインにとって「輝き」は重要単語なのです。サンシャインを日本語訳すると「太陽が輝いている」。ようやくなぜラブライブの2作品目がサンシャインというタイトルなのか、その答えも今回の話でわかったような気がします。

 

千歌がずっと「輝きたい輝きたい」と繰り返してきたことには初め、一つの意味しかないのだと思っていました。μ’sに憧れ、自分もスクールアイドルになって、大きなステージに立って、有名になって・・・。単純に夢が叶った姿を「輝き」と表現しているだけだとずっと思っていました。それは私たち視聴者だけでなく、スクールアイドルを始めた頃の千歌本人や、Aqoursの仲間も同じように思っていたと思います。しかし、その「輝き」には単にスクールアイドルとして有名になるだけではない、深い意味があることが明らかになります。その意味は学校が統廃合になってから正体を現しました。

 

浦の星の生徒たちが千歌たちに言った言葉

ラブライブに優勝して、浦の星の名前をラブライブの歴史に残してほしい」

この言葉が「輝き」の正体なのです。

 

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浦の星の生徒たちからこの言葉をもらう直前にこんな会話がありました。

 

果南「千歌たちは学校を救うためにスクールアイドルを始めたんじゃない」

曜「輝きを探すため」

鞠莉「みんなそれぞれに、自分たちだけの輝きを見つけるため」

千歌「でも・・・、見つからない。だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ?奇跡を起こして、学校を救って、だから輝けたんだ!輝きを見つけられたんだ。学校を救えなかったのに、輝きが見つかるなんて思わない!私ね、今はラブライブなんてどうでもよくなってる。私たちの輝きなんてどうでもいい。学校を救いたい!!」

 

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この会話から見て取れることは、彼女たちはまだ「輝き」の本当の意味を模索中だということ、その意味はみんなそれぞれに違うということ、千歌にとっては学校を救うことが「輝き」だったということです。初めは憧れから「輝きたい」と言っていた千歌は学校統廃合の話が進むにつれ、「学校を救うためにラブライブを通して知名度を上げる。それで学校を救うことが『輝き』」という風に明確な意味を生み出します。しかし、救うことだけに「輝き」の意味を見出していた彼女は、統廃合が決定したらもう輝けないと言います。そんな千歌に、生徒たちのあのセリフが届いたのです。決して学校がなくなったら輝けないわけではない、ラブライブで優勝すれば浦の星の「名前」はラブライブの歴史に残るのです。そしてそれは千歌たちにしかできない・・・。もしもこれが実現したら、「輝かしい栄光」と思われるでしょう。彼女たちにとって「輝き」を見つけることは目標です。その目標が学校統廃合になって明確になったのです。そして、このことは、ラブライブサンシャインという一つの作品の主軸が定まったとも言えるのではないのかと、僕は思います。サンシャイン=太陽が輝いている。ラブライブを通して「輝く」ということが作品で一番伝えたいことだと思うので!

 

千歌の人生、心理的な側面から「輝き」を考えてみる

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6話の感想でも書きましたが、千歌は自分へのコンプレックスが強いキャラです。それは彼女の過去に大きく関係していると思われます。

スクールアイドルに出会う前の千歌は「何の取り柄もない、普通な女の子」でした。自分のことを「普通怪獣ちかちー」と言っています。1期13話で千歌のお母さんは「今度はやめない?」と千歌に問いかけました。ここからわかることは、今まで千歌は「ハマれる何かがなかった」、あるいは「やってもできないからすぐに投げ出す」のどちらか、もしくは両方を繰り返してきた人生を送ってきたんだと思います。そしてその繰り返しにより、「自分への自信」や「これだったら自分はできる」「自分といえばこれ!」というものがないまま高2になったことが劣等感情を生み出したのです。心理・発達の分野で使われる用語で言うと、「自己同一性の拡散(アイデンティティの拡散ともいう」(注)。一般に青年期と言われる、中学生から大学生あたりの年代は、「自分とは何か、自分は何が好きで、何ができるのか」を探す時期でもあり、千歌はその真っ只中にいます。

 

(注)自己同一性についてはこちらを参照

自己同一性 - Wikipedia

  

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そんな千歌にとってスクールアイドルとの出会いは大きな存在です。千歌のやりたいこと、夢、千歌といえばこれ!というものにようやく出会えたのです。だからこそ、彼女は「輝き」という言葉を多用しているのだと思います。自分はこんなことが好きで、これができる、自分の取り柄・・・。スクールアイドルは千歌のアイデンティティになったのです。だからこそ、あれだけ夢中で、本気になり、涙だって流してきたんだと思います。

 

そして、浦の星は統廃合になり、新たな目標がここに現れたのです。7話の最後に梨子は千歌にこんなことを言いました。

 

「ついに普通じゃない、本当の怪獣になっちゃうのかも。千歌ちゃんは」

 

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もしラブライブで優勝し、浦の星の名前が残ったら千歌は英雄です。梨子が言った言葉は、「取り柄のなかった千歌が偉大な人になるんだ」という意味で僕は解釈しています。大好きなスクールアイドルで、大好きな学校の名前を残す・・・。それは千歌にとって最高のことであり、千歌にとって最高のことを別の言葉で言い換えると「輝き」なのです。こういう視点からも、「輝き」の正体が何なのか考えることができます。

 

筆者とラブライブとの出会い

今回の物語と直接的な関連はないのですが、上に書いたことと関連するのでちょっとだけ書かせていただきます。

僕がサンシャインの1期の1話を見た時、ものすごく千歌に感情移入してしまったのです。「自分は普通で、夢中になれるものが何もなかった。だけどそれに出会えた」と砂浜で梨子と話していたシーンで。僕もハマれる何かに出会ったのは最近で、それまでは無趣味で何の特徴もない生活をしていました。しかし、ラブライブと出会って人生が大きく変わりました。これまでは「自分の好きなものは?趣味は?」と聞かれても何の答えも浮かばなかったのですが、今ではちゃんと答えられます(オタク話が通じる相手に限りますが)。ラブライブサンシャインという一つの作品と出会い、ツイッターではコミュニティが広がり、同人活動を始め、ライブや聖地巡礼に行ったり、アウトドアな楽しみもできました。僕が今幸せな生活を送れているのは、千歌たちのおかげなのです。だからあの砂浜で話していた千歌に「千歌がスクールアイドルと出会って変わったのと同じで、僕は千歌たちAqoursに出会って変わることができたんだ」って言いたいくらいです。

そして千歌の学校やラブライブに対する、「好きなもの」への本気で譲らない気持ちもよくわかります。なぜなら僕も大好きな「ラブライブサンシャイン」に対しては本気で応援したいからです。二次創作が好きなのはそういう気持ちがあるからであり、気持ちだけでは誰にも負けたくありません(あんまり偉そうなことが言える絵は描いてませんが)。絵で上手くいかないとき、周りのもっとすごい人と比較して自分のちっぽけさに悔しくなることも何度も感じては、千歌も投票数0を経験したとき、予選敗退したとき、そして今回の廃校になったときに同じような悔しい気持ちになったのかなあと、ふと想像します。自分にとっての「輝き」はラブライブサンシャインなのかな、と思ったり・・・。

長々と自分語りすみません・・・。でもこれは言いたかったのです・・・。

 

 

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