描写と一緒に考える思い出と願い ラブライブサンシャイン 2期10話 感想・考察

ついにサンシャインの次元では年を越してしまいましたね・・・

そして、今回は鞠莉、ダイヤ、果南、3年生の進路が明らかになってしまいます・・・

彼女たちが内浦にいられる時間、Aqours9人が一緒にいられる時間、そして、浦の星が存在していられる時間・・・どれもあと「3ヶ月」です。あと「3ヶ月」で全てが終わるのです・・・僕の寿命も・・・(嘘です。でもサンシャインコンテンツが終わったら正直生きていける自信はありません。B・・・BDとライブ・・・、そして思い出があれば生きていけるよ・・・!そう信じてる・・・)

そう・・・「思い出」ですね・・・。今回のキーワードの一つです。鞠莉を中心に「思い出」「仲間」「願い」について書きます。

 

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あらすじ

年を越し、決勝に向けてより本腰を入れた練習に励むAqours。そんな時、鞠莉は父から統合先の学校の理事にならないかとオファーを受ける。しかし、彼女はイタリアの大学に通うため、断ることに・・・。みんなといられる時間が限られている中、彼女は願いを叶えるために流れ星を見に行った。大切な仲間と一緒に・・・。

 

この「願い」は冒頭で一人呟いた、「ずっと一緒にいられますように」でしょう。今回は雨の描写など、自然的な描写が綺麗に彼女たちの心情や運命を描いています。この話もしていきたいと思います(というか抜きにして話せない)。

 

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いろいろあったけど、それがベストな思い出を鞠莉に与えた

自分の生活に対してですが、僕はたまに「これがなかったら」「この出会いがなかったら」という考え方をします。僕に関しての「これ」の対象はまさに「ラブライブサンシャイン」です。「Aqours」です。2017年ももう終わろうとしていますが、今年はAqours尽くしの一年でした。ライブに行き、沼津に行き、同人活動はして・・・。今こうしてブログを更新し続けてるのもAqoursのおかげです。そのAqoursことラブライブサンシャインに出会ってなかったら今頃どうなっていたのか・・・。この楽しかったことをすべて経験できずにいたのです。それだけじゃないです。7話の千歌のレポにも書きましたが、過去の僕には何かにのめり込んで楽しんだ経験がほとんどありません。つまり今も無趣味な生活を送っていた可能性があったわけです。僕はAqoursのおかげでとても元気をもらい、明るい生活を送れるようになりました。そう考えると「もしAqoursと出会わなかったら」と考えるととても怖くなります・・・(明るい生活と言いましたが、こんなことを考えたり、もう終わりを意識して、後に感じる肩身の狭さに怯えているあたり、性格には暗いところがあります・・・)。

 

さて、長々と語ってしまいましたが、ここから本題です。この「もしこの出会いがなかったら」は劇中の鞠莉の話とものすごくかみ合っているのです。

 

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鞠莉の家は家柄故、監視がとても厳しかったのです。果南とダイヤと遊ぶために勝手に抜け出しては、抜け出せないように部屋の階を上げられるという過去の回想がありましたよね(あれ全部自分の部屋になるとか流石金持ち・・・)。「果南とダイヤと遊んじゃダメというならパパもママも勘当します!」なんて言っていましたが、あれで良かったのです。勝手に抜け出して良かったのです。なぜならあそこで言うことを聞いて家に閉じこもっていたら、「もしこの出会いがなかったら」が実現してしまったからです。

 

「でも・・・楽しかった。Everyday、何か新しいことが起きていた。一度しか言わないから、よく聞いて。私は、果南とダイヤと出会って、いろんなことを教わったよ。世界は広いこと、友達といると、時間がたつのを忘れるほど楽しいということ、喧嘩の仕方に、仲直りの仕方・・・。二人が外に連れ出してくれなかったら、私はまだ、一つも知らないままだった。ずっとあの部屋から出てこられなかった。あの日から、三人いれば何でもできるって、今の気持ちがあれば大丈夫だって、そう思えた・・・。Thankyou!!」

 

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このセリフからわかるように、「この出会い」とは果南とダイヤとの出会いのことです。さらに、そこだけでは終わりません。果南とダイヤと出会うことでスクールアイドルと出会うのです。そして彼女にはまたもや壁が立ちはだかります。大会での失敗、そこからの果南との仲たがい・・・。しかし、今度は千歌たちと出会い、それが繋がって果南と仲直りし、再びスクールアイドルに。そして彼女にとってベストなAqoursとしての思い出ができあがるのです。

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉がありますが、まさにその通りです。彼女は親の厳しい監視から抜け出し、外でのいろいろな経験を経て最高の思い出、青春を手にすることができたのです。あのまま閉じこもっていたら、果南とダイヤとも深い関係になれず、後のいろいろな出会いに繋がらなかったかもしれません。そして、全く別の人生を送っていたんだと思います。鞠莉の言う通り、人生を変えた、大切な出会いへの感謝は忘れてはいけないと改めて感じました。

 

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流れ星が本当に意味していたこと

劇中で回想シーンも含めて鞠莉は複数回流れ星を見に行きますが、全て雨が降りました。冒頭のセリフや果南、ダイヤそれぞれが別々の進路を歩むことからわかることは、鞠莉が流れ星にお願いしたいことは、「果南とダイヤとずっと一緒にいたい」ということです(というか、言ってます)。少なくとも、現在の鞠莉の願いはこれです。幼少期の回想に関しては今は置いといて、後で述べます。

 

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そして今では果南とダイヤだけにとどまらず、Aqoursメンバー全員に対する思いもあり、全員で星を見に行きます。しかし、雨です。そして、そう簡単に止んでくれません。雨は意地でも鞠莉に星を見せようとしません。鞠莉に願い事をさせてくれません。ここの描写はすごく上手いなと思いました。なぜなら、この雨が意味することは、「鞠莉の願いを叶えるのはほぼ不可能である」ということを意味しているからです。もう少ししっかり言うと、「鞠莉の願いは叶わないだろうから、雨が止む必要がない」のです。こう書くと、ものすごく悲しく聞こえてしまいますが、事実なんです。

鞠莉本人はイタリアの大学に進学し、ただでさえ日本には戻ってきにくくなる中、果南とダイヤも遠く離れたところへ行きます。そして、戻る拠点となる母校の浦の星は廃校、さらに、内浦を離れるのは鞠莉達だけではありません。いずれは千歌たち、後輩もそれぞれの将来に向けて旅立つ日が来てしまうのです。そうなれば、みんなが揃う日はいつになるかわかりません。卒業したらそれ以降一切会えないという可能性もないとは言えません。

 

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続いて、鞠莉の幼少期の話をします。幼少期にも果南とダイヤと星を見に行った時、雨が降りました。一見、子どもの時はたまたま雨が降っただけ、今ほどの願い事なんてないだろうと思いがちですが、深く考えるとあの時も同じだったのではないかと思います。それは二つの点から想像できます。一つは、幼少期の鞠莉にとって、果南とダイヤがいかに大切な存在であったかということ。転校生で、家にも縛られていた鞠莉は孤独だったため、外の世界や、友人との楽しい日々、友人の大切さを教えてくれた二人はかけがえのない存在だったのです。ここから、「ずっと一緒にいたい」という思いが芽生えたのだと考えられます。そして、もう一つは、雨が降ったということ。この雨と、「ずっと一緒にいたい」という、実現が難しい思いを繋げると、現在の時間軸の雨と同じ意味になります。「ずっと一緒にいたいという願いは叶わないから、鞠莉には星を見せない」というメッセージは、実は幼少期のあの頃からあったのです。途中で「雨女は誰だ」と3人で言い合っているシーンがありますが、雨女は鞠莉です。強いて言えば全員です。鞠莉だけでなく、みんな抱いた理由は違えど、この思いを持っていて、その思いが雨を降らせているからです。

ここまで、雨や叶わない願いといった悲しい側面に着目しました。しかし、大丈夫です。今度は流れ星という、明るい側面について着目してみましょう。まだ、希望はあります。

 

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Aqours全員で星を見に行った時も雨は降っていましたが、最後は雨雲は消え、星が見えます。ここで、星はたくさん見えました。その中でちょっとだけ流れ星が見えましたよね。日常の場面で星を見るときにも、星はいくつも見えますが、流れ星が見えるのは稀だと感じます。僕の経験上では、見たことがあるかないかは、曖昧です。この「ちょっとだけ」や「稀に」「曖昧」が重要な意味を持っています。

 

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願いを叶えるために星を見に行きましたが、今回の、鞠莉をはじめとした、Aqoursの願いは総合的には、「いつかみんなが会える日が来ますように」です(みんなそれぞれ違う可能性はあるし、学校のことやラブライブに対する願いも十分に考えられます。特に千歌の「私たちだけの輝き」がすごくひっかかります。僕的には私たちだけの最高の思い出がいつまでも残りますようにというニュアンスで捉えています。)。いろいろな願いはあると思いますが、この「いつかみんなが会える日が来ますように」という願い。実現するとしても、それぞれの事情的に「ちょっとだけ」言い換えれば、「稀に」。そして実現するかどうかも「曖昧」です。流れ星が見つかる可能性とものすごくリンクします(そもそもそれだけ稀にしか見えないから、流れ星に願いが叶うという効果があるという考えに至ったと思いますが)。流れ星の描写は彼女たちの未来をそのまま風景で描写されたんだと、感じさせられました。

 

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ちょっといろいろ書き込みすぎて、整理するのが難しいですが、描写と心情のリンクという一考察として、伝われば幸いです・・・。

 

(補足)

千歌の「この雨も、全部流れ落ちたら必ず星が見えるよ。だから、晴れるまでもっともっと遊ぼう」というセリフ、未熟Dreamerの「嵐が来たら晴れるまで遊ぼう」という歌詞に似てますよね。

 

 

 

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来週のタイトルは「浦の星女学院」。いよいよ浦女としてラストの校内イベント!?新曲来ますね!多分