変わったところと変わらなかったところ ラブライブサンシャイン2期12話 感想・考察

12話はついに決勝、そして次回予告から13話は卒業式だとわかりました。

本当に終わりを実感させられていて辛いです・・・

 

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あらすじ

ラブライブ勝戦に向かうべく、東京へ。決勝戦を控え、気持ちが揺らいでいたものの、「勝ちたい」「輝きたい」という気持ちはみんな一緒だった・・・。

 

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12話の舞台は東京、秋葉原です。今回出てきた場所の多くは以前に千歌たちが東京に行ったときに既に訪れているところです(主に1期7話、12話)。そして、セリフや場面からも以前の東京回を彷彿とさせるものがわりとありました。しかし、あの頃とは全然違う・・・12話は描写だけでもものすごく成長を感じることができた回でした。個人的にそれを感じさせられたシーンをピックアップしていこうと思います。

 

1 東京に怯えなくなったダイヤ

 

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1期12話では幼少期の迷子がトラウマで過剰に東京に慎重になっていたダイヤ。しかし、今回は落ち着いています。

 

2 男坂を走って登っても疲れていない

 

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これはルビィのセリフからわかりますね。本当にスクールアイドルを通して体力がついた証拠です。

 

3 セイントスノーとの会話

 

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1期7話と同じく神田明神でセイントスノーとはち会います(この二人は最近よくAqoursの前に現れるけど、交通費はどこから出ているんだ・・・?)。前回は冷淡さが出ていて、悪いライバル感を装っていましたが、今回は応援してくれています。2期8、9話を通して仲良くなったこと、そしてAqoursが強いグループへと成長したことが、セイントスノーとの関わりに大きな変化をもたらしました。

 

4 旅館のシーン

 

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泊まった旅館は以前と同じ「鳳明館」(泊まってみたいけどなかなか行けず・・・)。そして、花丸が饅頭を食べられることや、善子がテーブルに乗って怒られることといった、以前と何ら変わりない場面が描かれています。しかし、大きな違いがあります。それは3年生が加入したということ。そして、面白いことに花丸の饅頭を食べたのは曜・梨子から鞠莉に変わり、善子を叱ったのは梨子からダイヤに変わっています。あえて鞠莉とダイヤにこの役が回ったのは、3年生が加入して、グループとしての結束力が以前よりも強くなったことを強調するためだと感じました。

 

5 音の木でピアノを弾く梨子

 

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音の木坂学院の生徒だった頃、ピアノが弾けなかった梨子。東京に行くと毎回この話題に直面しますが、今回は音の木の音楽室でピアノを弾きます。これは梨子がスクールアイドル、千歌たちとの出会いを通してピアノのスランプを乗り越えたことがはっきりわかる場面です。さらに弾いていた曲が、千歌に背中を押され、ピアノコンクールでの優勝を果たしたときの「想いよひとつになれ」。

 

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この後の梨子のセリフからもしっかり伝わってきますよね(12話の一番好きな場面です!( ー`дー´)キリッ)

 

反対に、変わらなかったところ

以前に東京を訪れた時と比べて大きな成長を遂げたAqours。しかし、変わらなかったところもあります。

 

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一つはセイントスノーの聖良に「勝ちたいですか?」と言われてすぐに答えられなかったところです。このセリフは1期12話では千歌が聖良に問いかけていたときのものですが、聖良はその時すぐに即答しました。それに比べて今回の千歌は即答せず、メンバー一人一人の声を確認してからようやく「勝ちたい」という答えを導き出します。勝利というものに一直線なセイントスノーと、これでいいのか、何のためにラブライブで勝つのか、その理由を迷いながら探し続けるAqoursの違いは、たとえ成長したり、仲良くなっても変わっていません。

 

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そして、もう一つは「輝き」を見つけるという目標が不変のまま存在し続けていたことです。秋葉原駅付近で千歌が風で飛んだチラシを追いかけ、UTXのスクリーン前に辿り着いたシーンは、1期1話がそのまま再現されていました(今回は同行していた曜も一緒に)。そして1期1話から今日まで変わらず、その中には「輝き」という言葉がありました。この描写からは「あの時とは変わらず目標を追いかけているけど、あの時にはなかったものをたくさん手にし、大きくなって帰って来た!」というメッセージが伝わってきます。作者が伝えたいことがそれであるのならば、このように感じた僕は嬉しいです。

 

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全体をまとめて言えることは、彼女たちはたくさんの経験を積み、本当に大きく成長してスクールアイドルの聖地、秋葉原に戻ってきましたが、輝きの意味を常に考え、迷いながら、不安になりながらも目標を追い続ける、唯一無二のAqoursらしさは変わっておらず、そこが彼女たちの立派な個性だということです。1期との対比が多い今回の話はそれを強く感じさせてくれました。

 

 

 

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いよいよ、卒業式・・・。この時がついに来てしまうのですね・・・。

これで終わるなんて早すぎるし、絶対に嫌なので良い新規情報を待ってます。マジでお願いします(´;ω;`)ウゥゥ

 

 

 

「勇気はどこに?君の胸に!」の歌詞から振り返る2期の物語 ラブライブサンシャイン2期11話 感想・考察

浦の星女学院としての最後のイベントとなった閉校祭。

笑える場面、にぎやかな場面はあれど、とても切ない話でした・・・11話・・・。

そして、浦の星を綺麗な形で終わらせるための大事な話でもありました。

この話から見えてきたものがあります。それは、ラストにみんなで合唱したED曲、「勇気はどこに?君の胸に!」の歌詞の意味です。サンシャイン2期ももう11話を迎え、物語の全体像、目的、伝えたいこともはっきりしてきました。閉校祭の合唱で「勇気はどこに?君の胸に!」を歌ったことでこの曲が持つ意味がはっきり伝わってきたと同時に、その意味は2期の物語そのものなんだと強く感じました。

今回は話の感想・考察というよりかは、「勇気はどこに?君の胸に!」の歌詞の個人的解釈を書いていきたいと思います。

 

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あらすじ

学校の生徒の要望により、浦の星女学院は閉校祭を行うことになった。多くの人が集まった賑やかで楽しいイベントだったが、その楽しい時間はあっという間に過ぎ、みんなの合唱とともに閉校祭は幕を閉じた・・・。

 

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ここから歌詞とともに個人的解釈を入れていきます。一つの考えとして読んでいただけたら嬉しいです。

 

勇気はどこに?君の胸に!

 

勇気を出してみて

本当はこわいよ

僕だって最初からできたわけじゃないよ

 

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第2話で学校説明会が中止になり、廃校の道が進むことになったにも関わらず、鞠莉はお父さんから100人集めたら存続してもいい許可を得ます。その後もいろいろなお願いを言い続けます。学校のために。これはきっと勇気のある行動だったと思います。鞠莉だけでなく、そこから動き出す千歌たちも。

 

いっぱいつまづいた

悔しい想いが

強さをくれたんだ あきらめなきゃいいんだ

 

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前回の地区予選での敗退、学校説明会の中止、地区予選と説明会が被る、予選のパフォーマンスの苦労・・・そして最後には手が届かず、廃校決定・・・。壁に何度もぶち当たり、その度にきっと彼女たちは悔しい想いをしたでしょう。しかし、その度に挫けず、前へ進んできました。最後は廃校となってしまいましたが、あきらめず、ラブライブで優勝して学校の名前を残すという目標を掲げます。どこまでもあきらめない強さが培われたのです。

 

信じてみたいと 君の目が濡れて

迷う気持ちも涙もバイバイ

さあ出発だ!

 

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これは7話の千歌たちのことだと思います。学校が救えると信じてみたいけど、現実はそうではなく、無力感でいっぱいになっていました(そして自然と涙が流れた)。ラブライブ本戦のことを考えたいけど、学校のことがまだ残るみんな・・・。しかし、生徒達の言葉で学校の名前をラブライブの歴史に残すという目標が生まれ、迷いも涙も捨て、出発したのです!

 

何度だって追いかけようよ 負けないで

失敗なんて誰でもあるよ

夢は消えない 夢は消えない

 

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失敗・・・。彼女たちの物語の中には幾度となく失敗が出てきますが、一番の失敗は「学校をあと一歩のところで廃校にしてしまったこと」だ思います。その罪悪感を誰よりも背負ってしまったのは、理事長の鞠莉であり、今回の話のキャンプファイヤーのシーンで痛いほど伝わってきます・・・。

しかし、夢は消えない。廃校になってもラブライブで優勝する夢はまだ消えてません。立ち上がるチャンス、追いかけるチャンスはあります。

 

何度だって追いかけようよ 負けないで

だって今日は今日で だって目覚めたら違う朝だよ

 

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一般的に見ると、今日終わったことは悔やまず、明日新しいことを頑張れという意味。ラブライブサンシャインの物語に当てはまると、「今日」は廃校した学校で「違う朝」はラブライブの大会で優勝するという目標、さらにはもっと先のメンバー一人一人の夢とも取れます。

11話の後半で、各メンバーが終わってしまう学校と未来について語っていたシーンがあります(記事の最後に書いています)。このセリフはまさにここの歌詞と一致するんじゃないかと、そんな感じがします。

 

やり残したことなどない

そう言いたいね いつの日にか

そこまではまだ遠いよ だから僕らは頑張って挑戦だよね

 

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11話のEDのみで流れましたが、ここが一番歌詞の意味がグッと来ました。これは本当に廃校を迎える次の春に、ラブライブで優勝し、学校のためにできることは全てやり尽くし、悔いはない、未来の僕らはそう言っていたいから、挑戦したい、まだまだ足りない、という千歌たちの現在を歌っていると感じました。これを11話のEDに持ってきたのは、きっとそうだからだと思います(あえて未来の僕らと表記したのはOPのタイトルと合わせるためです。OPの解釈はしてないですが、物語の主軸を歌っているのは確かです)。

 

 

こんな風に個人的には解釈しました。二番はまだ解釈できていないのでアニメで取り上げられた箇所だけにします。

解釈時にも何度も出てきた言葉が「廃校」と「ラブライブ優勝」。2期の物語の主軸はこれに尽きます。1期のEDのタイトルは「ユメ語るよりユメ歌おう」でしたが、1期は憧れや夢を追いかける物語だったからです。2期では憧れではなく、目の前の現実と向き合い、目標を実現させることが主題となり、それだけでも千歌たちの成長を感じることができますね!

 

最後に。この話の好きな台詞を抜粋しておきます。

 

楽しい時間というのは、いつもあっという間で

そこにいる誰もが、この時間がずーっと続けばいいのにって思ってるのに

でも、やっぱり終わりは来て

時が戻らないこと、もう一度同じ時間を繰り返せないことが、とても寂しく思えるけど

同時に、やっぱりどうなるかわからない明日の方が、ちょっぴり楽しみでもあって

ああ、これが時が進んでいくことなんだなって、実感できるずら

そして気付く。きっと二度と同じ時はないから、この時が楽しいって思えるのかな。今こうしていることが、たった一度きりだって、わかっているから、全力になれる

いつか終わりが来ることを、みんな知っているから。終わりが来ても、明日が来ることを知っているから

未来に向けて、歩き出さなきゃいけないから。みんな、笑うのだろう

 

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書きながら泣きそうです・・・(´;ω;`)ウゥゥ

 

 

 

 

 

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もう残すところ2話・・・。またもや切ない話が来そうで泣く覚悟はしてます・・・

ラブライブ決勝はいつやるんでしょうか?12話?13話?もしかして劇場版?

 

描写と一緒に考える思い出と願い ラブライブサンシャイン 2期10話 感想・考察

ついにサンシャインの次元では年を越してしまいましたね・・・

そして、今回は鞠莉、ダイヤ、果南、3年生の進路が明らかになってしまいます・・・

彼女たちが内浦にいられる時間、Aqours9人が一緒にいられる時間、そして、浦の星が存在していられる時間・・・どれもあと「3ヶ月」です。あと「3ヶ月」で全てが終わるのです・・・僕の寿命も・・・(嘘です。でもサンシャインコンテンツが終わったら正直生きていける自信はありません。B・・・BDとライブ・・・、そして思い出があれば生きていけるよ・・・!そう信じてる・・・)

そう・・・「思い出」ですね・・・。今回のキーワードの一つです。鞠莉を中心に「思い出」「仲間」「願い」について書きます。

 

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あらすじ

年を越し、決勝に向けてより本腰を入れた練習に励むAqours。そんな時、鞠莉は父から統合先の学校の理事にならないかとオファーを受ける。しかし、彼女はイタリアの大学に通うため、断ることに・・・。みんなといられる時間が限られている中、彼女は願いを叶えるために流れ星を見に行った。大切な仲間と一緒に・・・。

 

この「願い」は冒頭で一人呟いた、「ずっと一緒にいられますように」でしょう。今回は雨の描写など、自然的な描写が綺麗に彼女たちの心情や運命を描いています。この話もしていきたいと思います(というか抜きにして話せない)。

 

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いろいろあったけど、それがベストな思い出を鞠莉に与えた

自分の生活に対してですが、僕はたまに「これがなかったら」「この出会いがなかったら」という考え方をします。僕に関しての「これ」の対象はまさに「ラブライブサンシャイン」です。「Aqours」です。2017年ももう終わろうとしていますが、今年はAqours尽くしの一年でした。ライブに行き、沼津に行き、同人活動はして・・・。今こうしてブログを更新し続けてるのもAqoursのおかげです。そのAqoursことラブライブサンシャインに出会ってなかったら今頃どうなっていたのか・・・。この楽しかったことをすべて経験できずにいたのです。それだけじゃないです。7話の千歌のレポにも書きましたが、過去の僕には何かにのめり込んで楽しんだ経験がほとんどありません。つまり今も無趣味な生活を送っていた可能性があったわけです。僕はAqoursのおかげでとても元気をもらい、明るい生活を送れるようになりました。そう考えると「もしAqoursと出会わなかったら」と考えるととても怖くなります・・・(明るい生活と言いましたが、こんなことを考えたり、もう終わりを意識して、後に感じる肩身の狭さに怯えているあたり、性格には暗いところがあります・・・)。

 

さて、長々と語ってしまいましたが、ここから本題です。この「もしこの出会いがなかったら」は劇中の鞠莉の話とものすごくかみ合っているのです。

 

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鞠莉の家は家柄故、監視がとても厳しかったのです。果南とダイヤと遊ぶために勝手に抜け出しては、抜け出せないように部屋の階を上げられるという過去の回想がありましたよね(あれ全部自分の部屋になるとか流石金持ち・・・)。「果南とダイヤと遊んじゃダメというならパパもママも勘当します!」なんて言っていましたが、あれで良かったのです。勝手に抜け出して良かったのです。なぜならあそこで言うことを聞いて家に閉じこもっていたら、「もしこの出会いがなかったら」が実現してしまったからです。

 

「でも・・・楽しかった。Everyday、何か新しいことが起きていた。一度しか言わないから、よく聞いて。私は、果南とダイヤと出会って、いろんなことを教わったよ。世界は広いこと、友達といると、時間がたつのを忘れるほど楽しいということ、喧嘩の仕方に、仲直りの仕方・・・。二人が外に連れ出してくれなかったら、私はまだ、一つも知らないままだった。ずっとあの部屋から出てこられなかった。あの日から、三人いれば何でもできるって、今の気持ちがあれば大丈夫だって、そう思えた・・・。Thankyou!!」

 

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このセリフからわかるように、「この出会い」とは果南とダイヤとの出会いのことです。さらに、そこだけでは終わりません。果南とダイヤと出会うことでスクールアイドルと出会うのです。そして彼女にはまたもや壁が立ちはだかります。大会での失敗、そこからの果南との仲たがい・・・。しかし、今度は千歌たちと出会い、それが繋がって果南と仲直りし、再びスクールアイドルに。そして彼女にとってベストなAqoursとしての思い出ができあがるのです。

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉がありますが、まさにその通りです。彼女は親の厳しい監視から抜け出し、外でのいろいろな経験を経て最高の思い出、青春を手にすることができたのです。あのまま閉じこもっていたら、果南とダイヤとも深い関係になれず、後のいろいろな出会いに繋がらなかったかもしれません。そして、全く別の人生を送っていたんだと思います。鞠莉の言う通り、人生を変えた、大切な出会いへの感謝は忘れてはいけないと改めて感じました。

 

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流れ星が本当に意味していたこと

劇中で回想シーンも含めて鞠莉は複数回流れ星を見に行きますが、全て雨が降りました。冒頭のセリフや果南、ダイヤそれぞれが別々の進路を歩むことからわかることは、鞠莉が流れ星にお願いしたいことは、「果南とダイヤとずっと一緒にいたい」ということです(というか、言ってます)。少なくとも、現在の鞠莉の願いはこれです。幼少期の回想に関しては今は置いといて、後で述べます。

 

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そして今では果南とダイヤだけにとどまらず、Aqoursメンバー全員に対する思いもあり、全員で星を見に行きます。しかし、雨です。そして、そう簡単に止んでくれません。雨は意地でも鞠莉に星を見せようとしません。鞠莉に願い事をさせてくれません。ここの描写はすごく上手いなと思いました。なぜなら、この雨が意味することは、「鞠莉の願いを叶えるのはほぼ不可能である」ということを意味しているからです。もう少ししっかり言うと、「鞠莉の願いは叶わないだろうから、雨が止む必要がない」のです。こう書くと、ものすごく悲しく聞こえてしまいますが、事実なんです。

鞠莉本人はイタリアの大学に進学し、ただでさえ日本には戻ってきにくくなる中、果南とダイヤも遠く離れたところへ行きます。そして、戻る拠点となる母校の浦の星は廃校、さらに、内浦を離れるのは鞠莉達だけではありません。いずれは千歌たち、後輩もそれぞれの将来に向けて旅立つ日が来てしまうのです。そうなれば、みんなが揃う日はいつになるかわかりません。卒業したらそれ以降一切会えないという可能性もないとは言えません。

 

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続いて、鞠莉の幼少期の話をします。幼少期にも果南とダイヤと星を見に行った時、雨が降りました。一見、子どもの時はたまたま雨が降っただけ、今ほどの願い事なんてないだろうと思いがちですが、深く考えるとあの時も同じだったのではないかと思います。それは二つの点から想像できます。一つは、幼少期の鞠莉にとって、果南とダイヤがいかに大切な存在であったかということ。転校生で、家にも縛られていた鞠莉は孤独だったため、外の世界や、友人との楽しい日々、友人の大切さを教えてくれた二人はかけがえのない存在だったのです。ここから、「ずっと一緒にいたい」という思いが芽生えたのだと考えられます。そして、もう一つは、雨が降ったということ。この雨と、「ずっと一緒にいたい」という、実現が難しい思いを繋げると、現在の時間軸の雨と同じ意味になります。「ずっと一緒にいたいという願いは叶わないから、鞠莉には星を見せない」というメッセージは、実は幼少期のあの頃からあったのです。途中で「雨女は誰だ」と3人で言い合っているシーンがありますが、雨女は鞠莉です。強いて言えば全員です。鞠莉だけでなく、みんな抱いた理由は違えど、この思いを持っていて、その思いが雨を降らせているからです。

ここまで、雨や叶わない願いといった悲しい側面に着目しました。しかし、大丈夫です。今度は流れ星という、明るい側面について着目してみましょう。まだ、希望はあります。

 

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Aqours全員で星を見に行った時も雨は降っていましたが、最後は雨雲は消え、星が見えます。ここで、星はたくさん見えました。その中でちょっとだけ流れ星が見えましたよね。日常の場面で星を見るときにも、星はいくつも見えますが、流れ星が見えるのは稀だと感じます。僕の経験上では、見たことがあるかないかは、曖昧です。この「ちょっとだけ」や「稀に」「曖昧」が重要な意味を持っています。

 

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願いを叶えるために星を見に行きましたが、今回の、鞠莉をはじめとした、Aqoursの願いは総合的には、「いつかみんなが会える日が来ますように」です(みんなそれぞれ違う可能性はあるし、学校のことやラブライブに対する願いも十分に考えられます。特に千歌の「私たちだけの輝き」がすごくひっかかります。僕的には私たちだけの最高の思い出がいつまでも残りますようにというニュアンスで捉えています。)。いろいろな願いはあると思いますが、この「いつかみんなが会える日が来ますように」という願い。実現するとしても、それぞれの事情的に「ちょっとだけ」言い換えれば、「稀に」。そして実現するかどうかも「曖昧」です。流れ星が見つかる可能性とものすごくリンクします(そもそもそれだけ稀にしか見えないから、流れ星に願いが叶うという効果があるという考えに至ったと思いますが)。流れ星の描写は彼女たちの未来をそのまま風景で描写されたんだと、感じさせられました。

 

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ちょっといろいろ書き込みすぎて、整理するのが難しいですが、描写と心情のリンクという一考察として、伝われば幸いです・・・。

 

(補足)

千歌の「この雨も、全部流れ落ちたら必ず星が見えるよ。だから、晴れるまでもっともっと遊ぼう」というセリフ、未熟Dreamerの「嵐が来たら晴れるまで遊ぼう」という歌詞に似てますよね。

 

 

 

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来週のタイトルは「浦の星女学院」。いよいよ浦女としてラストの校内イベント!?新曲来ますね!多分

 

成長できたのはお姉ちゃんのおかげ ラブライブサンシャイン 2期9話 感想・考察

前回に引き続き、函館での物語の後編です。

まさか本当にセイントスノーとAqoursがコラボライブをするとは・・・話の展開からそうなることは見えていましたが、このような展開は無印にもサンシャイン1期にもなかったのでとても新鮮で楽しい話でした。

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ツイッターでちらっと呟いてる人を何人か見かけ、僕も思っていたのですが、先日リリースされた挿入歌、MY舞TONIGHTのシングルジャケットが果南、鞠莉、善子、花丸という学年もユニットも統一していない組み合わせ(人気CP二組を組み合わせた百合百合した組み合わせともいう)でちょっと違和感を感じていました。と、同時に告知されていたシングルで1枚だけ値段が通常より高い点にも。何だろうなあと思いながら過ごしていましたが、先週の8話を見て予想がつきました。残りのシングル2枚のジャケットはダイヤ、ルビィ、セイントスノーの二人で1枚、最後に曜、千歌、梨子が来て、1枚だけ高いのはセイントスノーオンリーの2曲がついてくるからなんだろうと。それはまさにその通りで、それどこかセイントスノーのドラマパートと、コラボライブの申し込み券まで付いてるとは・・・そりゃあ値段高くなりますよね・・・。

www.lovelive-anime.jp

 

話がめちゃくちゃそれましたが、今回は見ていてすごく楽しかったと同時に、すごく感動しました。前回、「お姉ちゃんに歌を届けよう」と理亞に言ったルビィの行く先・・・二人はここからさらに大きく成長します。今回は自分たちの力で行動する二人が主役ですが、ここまでの成長を与えてくれたのは彼女たちの姉です。そのことについて書いていきたいと思います。

 

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あらすじ

聖良との最後のライブで失敗し、悲しみに暮れる理亞。そんな理亞にルビィは「お姉ちゃんに贈る歌を作ろう」と言う。ルビィは花丸と善子と一緒に函館に残り、クリスマスイベントで歌う歌を作り、イベントにエントリーする。理亞はルビィたちと一緒に過ごすうちにだんだんと打ち解け、聖良とセイントスノーとしての最後の思い出を残すことができた。

 

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ルビィの成長

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ルビィは人見知りが強く、つい他人の影に隠れてしまい、よく泣いてしまう子です。しかし、自分でスクールアイドルになりたいという意思表示をし、Aqoursに入り、活動を通す中で彼女は彼女なりに成長してきたと思います。ですが、今回の函館の旅の中で大きな成長を遂げます。なぜなら自分の力で曲作り、イベント参加の誘いをして、自力で審査にも挑んだからです。今までの成長を否定する気は一切ありませんが、今までは花丸に背中を押してもらったり、ダイヤに見守られていたり・・・つまりずっと誰かに支えてもらっていたのです。ですが、今回はルビィが支える側になったのです。理亞を。

 

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そして、誰の力も借りずに、ましてはいつも傍にいたダイヤが近くにいない状態で、審査員の前で話します。大勢の審査員に囲まれて話すことは人見知りが激しいルビィにとってはさぞかしハードルの高い挑戦だったと思います。それを乗り越えたのです。彼女ははっきり喋りました。作中で一番の成長シーンだと思っています(それを見守る親友の善子と花丸にはもらい泣きを食らいました・・・)。

 

(補足)

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妹が大きな壁を乗り越えた頃、姉は心配になりすぎて情緒不安定に・・・。それだけ姉妹の絆が深いことがわかる描写、そしてダイヤをこう見せることで、よりルビィがしっかりしているように感じさせられる描写・・・。この描写にはいろんな意味があるのではないかと思います。

 

理亞の成長

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理亞はもともと口数が少なく、愛想のない子です。ルビィが善子と花丸を連れて来た時にも、自分の口から「大勢でワイワイするのが苦手」と言っています。すなわち、人と関わるのが苦手なのです。しかし、偶然なのか、それはそこに居合わせたAqoursの1年生トリオにも当てはまることです。花丸が方言にコンプレックスを抱き、図書室にこもりがちだった話、善子にいたっては学校にも行けなくなった過去があること・・・この話を聞いた理亞は次第に不愛想な表情から変わっていきます。安心したんです、きっと。もともと友達付き合いのない彼女は、見えている世界が狭く、人と関わることが上手くないのは自分だけと感じ、余計に自分へのコンプレックスが強かったんだと思います。そして、自分が周りと違う、おかしいと思うわけですから、下手なことをしていると周りから嫌なふうに扱われると危機感を抱き、自分を守りたいがために、人にきつく当たってしまいがちな性格になってしまったのでしょう。しかし、このシーンで自分だけじゃない、と思ったんです。

 

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ですから、ルビィ達との出会いはラッキーだったと思います。同じように人と関わることの難しさを経験した人間ですから、理亞が上手く人と関われないことをわかっているでしょうし、それだけに優しく接してくれるので、人と関わることは怖いことじゃないということを知る第一歩を踏み出しやすかったでしょう。初めはルビィ達にも強く当たっていましたが、ルビィ達は強く当たられても攻撃で返しませんでした。8話同様、お互いのお姉ちゃんがどっちが上かで張り合っていましたが、ルビィはそこで一歩引いて「お互い様だね」と言ったことで理亞は張り合うのをやめました。自分のちょっと強く当たりがちな性格を理解してくれる、余裕のある心の広い人に出会えて、彼女の心もどんどん広くなっていったのです。自分を守るために閉ざしていた心が広がったこと、これだけでも理亞は大きな成長を遂げました。

 

これも・・・お姉ちゃんのおかげ

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今回は「お姉ちゃんのために自分たちで曲を作ってイベントに出る」ことが主題なので、当然ダイヤも聖良も一切手助けをしていません。ダイヤに関しては先に内浦に帰ります。今までどんなときにもそばにダイヤがいてくれたルビィ。理亞にいたっては聖良しか信頼できる人がいなかったんだと思います。そんな二人が姉を離れて、一からイベントを作ります。そして姉の力なしで大きく成長しました。しかし、この話は姉の力を一切借りずに成長したというのは少し違うような気もします。僕が思うのは、「姉がいたから成長できた」んだと思います。

 

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それはなぜか。「今まで一緒にいてくれたお姉ちゃんへ、曲を作ってサプライズを届けたい」という思いがルビィを、理亞を駆り立てたからです。その思いがあったから彼女たちを前に踏み出させたのです。そして、強い思いというのは不思議で、不可能を可能に変えることができるのです。面接のシーンでルビィは初め、圧倒されて声が出ませんでした。その時、ダイヤと過ごした時間が回想で流れてきます。きっとあの時、ルビィは「ここで負けてしまったら、いつも支えてくれたお姉ちゃんに、何の恩返しもできない」と思い、それが一番の苦痛だと感じたのです。その思いがあっての成長だったのです。理亞に関しても、聖良に最後の曲を与えたいという強い思いがあったから、ルビィ達に心を開き、その後は学校の同級生にも心を開けたのです。

ダイヤも聖良も、直接的には一切協力しない、ルビィと理亞の自立が描かれた話でしたが、その背景にはダイヤと聖良がいたのです。だからこれも二人が彼女たちを成長させたのです。そして、この話は「今までありがとう、お姉ちゃん」だけでなく、「今、大きく自分が変わることができたのは、お姉ちゃんのおかげなんだよ」という意味も伝わってくるのです。

 

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兄弟姉妹、親子・・・自立して一人でいろいろなことをするようになっても、自立までの過程には必ずその人からのいろいろな助けがあったからできたわけであって、繋がりはいつまでも途絶えることはないんだと、この話を通して一番感じました。

 

 

 

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次回は3年生回っぽい・・・?いよいよ10話でもあり、本格的に「卒業」と向き合う話になりそうですね・・・。嫌だ・・・サンシャイン終わらないで・・・( ;∀;)

弱虫なんかじゃない。ルビィは強い子 ラブライブサンシャイン 2期8話 感想・考察

タイトルの通り、函館にAqoursが行った8話。ラブライブサンシャインで北海道といえばセイントスノー。彼女たちが出てくるのはわかりきったことでしたが、どんな展開になるのかは視聴するまで全く想像がつきませんでした。予告のネタっぷり、7話の話が重かった分楽しい北海道観光か?と思っていましたが・・・

 

全然そんな話ではなかったです。そして今までメインキャラとしての出番が少なかったルビィにようやく出番が・・・!それも単に主役を与えられただけでなく、ルビィの人としてすごく良いところが溢れ出ていて・・・泣きました。僕としてはすごく好きなタイプの話でした。

 

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あらすじ

北海道の地区予選に招待されたAqours。かつて顔を合わせたことのあるライバル、セイントスノーの予選を見るが、パフォーマンスの失敗により敗退してしまう。妹、理亞にとっては姉の聖良と出られる最後の大会・・・。同じ3年生の姉と一緒にスクールアイドルをしている立場であるルビィは理亞の辛さがわかっていて、「失敗を最後にしないように、お姉ちゃんに届ける歌を作ろう」と自ら動き出した。

 

ルビィと姉のダイヤの関係、理亞の気持ちに気付き、行動を起こしたルビィの強さ、今回の主題はこれです。

 

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ルビィにとっての「お姉ちゃん」

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アニメで度々出てくる、黒澤姉妹の仲の良い描写。一番古いシーンはダイヤが高校1年生だった2年前の話です。二人でμ’sの雑誌を見たり、衣装を真似て遊んだり・・・(1期4話)。二人はスクールアイドルが大好きな姉妹です。時間軸的にその前後だと思われますが、その時期に現3年生がスクールアイドルを始めます。言い出したのはダイヤです(1期8話の回想シーン)。乗り気でない鞠莉をノリノリで誘ったあたりから、ダイヤがスクールアイドルが大好きだったことがわかります。

しかし、大会で歌えなかったあの悲劇の日から、一変します。ルビィが読んでるスクールアイドル雑誌をぶっきらぼうに「見たくない」と言い、その状態が2年続きます。当然、ルビィとスクールアイドルの話はしなくなったでしょう。ルビィはどんな気持ちだったんでしょうか。ここで、1期4話で花丸と話していたときのセリフを思い出してみましょう。

 

「本当は、ルビィもスクールアイドルを嫌いにならないといけないの」

「お姉ちゃんが嫌いなものを、好きではいられない」

 

何も知らない人がこのセリフを聞いたら、ダイヤがかなり支配的で、到底仲の良い姉妹には見えないでしょう。4話の時点では明かされていない過去も多く、話の筋道がわからなかったかつての僕はそうでした。しかし、今ならあのセリフの裏にあるルビィの気持ちがわかります。ルビィはダイヤが好きだからあのセリフを言えたのです。スクールアイドルが好きなダイヤのことが大好きで、たった一つの失敗によって全てを変えられてしまったことが辛かったのです。ダイヤがAqoursに加入したとき、「親愛なるお姉ちゃんへ」ととても嬉しそうに言っていますし、3年生がかつて3人でスクールアイドルをやっていたときに衣装を作っていたのはルビィだという説も濃厚です(2期2話の衣装担当に関する話から想像できる)。ルビィにとってダイヤは、一緒に好きなことを楽しめる相手であり、その好きなことを楽しんでる姿が彼女は好きなのです。

 

だから、こう言ったんです。

「あんなにスクールアイドルに憧れていたのに・・・あんなに目指していたのに・・・もう終わっちゃうんだよね・・・」

「でも・・・ルビィはお姉ちゃんともっと歌いたい・・・お姉ちゃんの背中を見て、お姉ちゃんの息を感じて・・・お姉ちゃんと一緒に汗をかいて・・・」

「ルビィを・・・置いて行かないで・・・」

 

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この言葉にはたくさんの意味が込められていると思います。ダイヤと共にスクールアイドルを楽しんだ思い出、大好きなスクールアイドルから離れざるをえないダイヤに対する悲しさ、一緒にできる時間が限られている寂しさ・・・。様々な強い気持ちからこの言葉が出てきたのだと思いますが、僕は何よりも、一緒に大好きなスクールアイドルを楽しみ続けたいという気持ちが一番強かったと思います。それは、上に書いたように、ルビィは大好きなことをしているダイヤの傍にいることが好きだと思うからです。ルビィの言葉から、それがすごく伝わってきました・・・。

 

本当に強い人ってルビィみたいな人

人見知りが激しく、引っ込み思案。臆病で泣き虫。ルビィの特徴なのですが、一般的にこのような人は「弱虫」と言われます。しかし、それって本当なのでしょうか?これは「人前に出て上手く関われない不器用さ」という、一つの側面の印象にしかすぎません。もっと大事なところを見落としてます。そして、それは人として一番大事なところです。

 

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セイントスノーがライブパフォーマンスで失敗したとき、ルビィは一番衝撃を受けた顔をしています。その後、他のメンバーは気持ちを切り替えているものの(もちろんショックは受けている)、ルビィだけはずっと浮かない顔をしています。

 

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そして、偶然入った鹿角姉妹の店の部屋の一室で泣いている理亞に気付きます。理亞はルビィに「さっきのことを話したら、ただじゃおかないから」と言っていますが、おそらく聖良との最後の大会前に喧嘩をし、パフォーマンスも失敗し、取り返しのつかない最後にしてしまったことへの後悔と罪悪感をルビィに吐いたのだと思われます。そこでルビィは「お姉ちゃんと二度とスクールアイドルができない」ことの辛さを強く実感し、黙っていられずに口にしてしまったんだと思います(ここに関してはこれより前に実感していた可能性も考えられます)。

 

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ここから言えることは、ルビィは人の辛い気持ちをわかってあげられる優しさをしっかりと持っているということです。それは同じ「姉と一緒に大好きなスクールアイドルをやっている妹」という立場ゆえのものでもありますが、彼女はただの同情や共感で終わっていません。人一倍敏感に他人のことを感じ取り、それに涙し、行動まで起こすのです。

 

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最後、ルビィはたった一人、誰の力も借りずに理亞を呼び出し、「お姉ちゃんに贈る歌を作ろう」と言います。こんなことができる人が果たして「弱虫」なんでしょうか。むしろ逆だと思います。他人の痛みがわかり、行動までできる優しさ・・・ここまでするにはすごく勇気が必要だと思いますし、これができる人は少数派だと思います。本当に「強い人」ってこういう人なんだと僕は思います。ルビィは決して「弱虫」ではないです。臆病で泣き虫だろうと彼女は人として一番大事なところを持っているのですから。

 

(補足)

1期4話の花丸はルビィのことを「マルと一緒に過ごしてくれたその子はとても優しくて、でもちょっと気にしすぎな子」と言っていました。ここからも彼女が他人の気持ちがわかる優しさの持ち主であることが読めます。ここでの「他人の気持ち」とは辛い過去を持ったダイヤのことにあたりますね。

 

 

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函館での彼女たちの話はここで完結せず、次回にも続くようです。ルビィが言った「お姉ちゃんに贈る歌」がおそらく次の新曲になるでしょう。もしかしてセイントスノーと一緒に歌うコラボ曲!?

 

輝きの正体 ラブライブサンシャイン2期7話 感想・考察

地区予選に勝ち、決勝進出はできたものの、学校の存続には及ばず・・・

どこまで行っても何かしらの壁が彼女たちには立ちはだかります。

 

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僕の予想では、流石に二度も地区予選に敗退することはないだろうと思っていました。彼女たちの知名度は上がっているし、努力だって重ねてきました。千歌はあのパフォーマンスを成功させましたし。アイドルアニメなのにアイドルの大会に負けまくるのもどうかなあといった気持ちもあっての予想でもありましたが・・・。

しかし、決勝進出できた代わりに学校存続の夢は叶えられない展開になるのではと思っていました。学校はあきらめざるを得ない状況に・・・だけどその分ラブライブ絶対優勝する!浦の星として最後の思い出を悔いのないように・・・!そんな展開かなーと、7話の予告を見た時予測していました。それはほぼ当たっていました。ですが、僕も人間なので完璧な予測なんて当然できません。7話を見て、「なるほど・・・!!そう来たか!!」と思わされた部分ももちろんあります。今回の記事はそこを中心に書きたいと思います。

 

参考に。僕が6話を見た後に呟いた7話の予測ツイート

 

 

冒頭長くなりましたがとりあえずあらすじ・・・

地区予選に勝利し、決勝進出したAqours。しかし、その日に入学希望者が100人にならないと統廃合が決定してしまうという切迫した状況に・・・。鞠莉のお父さんに最後のお願いとして翌朝の5時までは待ってもらえたが、98人でストップ・・・。統廃合は決定し、千歌たちは悲しみに暮れたが、そんな時に浦の星の生徒たちが千歌たちに託した願いは、ラブライブで優勝し、浦の星の名前をラブライブの歴史に残してほしい、ということだった。

 

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千歌がずっと言ってきた「輝き」の正体

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アニメ1期1話のタイトル「輝きたい!!」をはじめ、あらゆるところで千歌が言い続けてきた「輝き」という言葉。彼女たちのファーストシングルのタイトルが「君の心は輝いてるかい?」であったり、1期のBD6巻の特典曲「スリリングワンウェイ」の冒頭で千歌が「私たち、輝きたい!!」と叫んでいたりと、曲の中にも数回出てくるほど、ラブライブサンシャインにとって「輝き」は重要単語なのです。サンシャインを日本語訳すると「太陽が輝いている」。ようやくなぜラブライブの2作品目がサンシャインというタイトルなのか、その答えも今回の話でわかったような気がします。

 

千歌がずっと「輝きたい輝きたい」と繰り返してきたことには初め、一つの意味しかないのだと思っていました。μ’sに憧れ、自分もスクールアイドルになって、大きなステージに立って、有名になって・・・。単純に夢が叶った姿を「輝き」と表現しているだけだとずっと思っていました。それは私たち視聴者だけでなく、スクールアイドルを始めた頃の千歌本人や、Aqoursの仲間も同じように思っていたと思います。しかし、その「輝き」には単にスクールアイドルとして有名になるだけではない、深い意味があることが明らかになります。その意味は学校が統廃合になってから正体を現しました。

 

浦の星の生徒たちが千歌たちに言った言葉

ラブライブに優勝して、浦の星の名前をラブライブの歴史に残してほしい」

この言葉が「輝き」の正体なのです。

 

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浦の星の生徒たちからこの言葉をもらう直前にこんな会話がありました。

 

果南「千歌たちは学校を救うためにスクールアイドルを始めたんじゃない」

曜「輝きを探すため」

鞠莉「みんなそれぞれに、自分たちだけの輝きを見つけるため」

千歌「でも・・・、見つからない。だってこれで優勝しても、学校はなくなっちゃうんだよ?奇跡を起こして、学校を救って、だから輝けたんだ!輝きを見つけられたんだ。学校を救えなかったのに、輝きが見つかるなんて思わない!私ね、今はラブライブなんてどうでもよくなってる。私たちの輝きなんてどうでもいい。学校を救いたい!!」

 

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この会話から見て取れることは、彼女たちはまだ「輝き」の本当の意味を模索中だということ、その意味はみんなそれぞれに違うということ、千歌にとっては学校を救うことが「輝き」だったということです。初めは憧れから「輝きたい」と言っていた千歌は学校統廃合の話が進むにつれ、「学校を救うためにラブライブを通して知名度を上げる。それで学校を救うことが『輝き』」という風に明確な意味を生み出します。しかし、救うことだけに「輝き」の意味を見出していた彼女は、統廃合が決定したらもう輝けないと言います。そんな千歌に、生徒たちのあのセリフが届いたのです。決して学校がなくなったら輝けないわけではない、ラブライブで優勝すれば浦の星の「名前」はラブライブの歴史に残るのです。そしてそれは千歌たちにしかできない・・・。もしもこれが実現したら、「輝かしい栄光」と思われるでしょう。彼女たちにとって「輝き」を見つけることは目標です。その目標が学校統廃合になって明確になったのです。そして、このことは、ラブライブサンシャインという一つの作品の主軸が定まったとも言えるのではないのかと、僕は思います。サンシャイン=太陽が輝いている。ラブライブを通して「輝く」ということが作品で一番伝えたいことだと思うので!

 

千歌の人生、心理的な側面から「輝き」を考えてみる

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6話の感想でも書きましたが、千歌は自分へのコンプレックスが強いキャラです。それは彼女の過去に大きく関係していると思われます。

スクールアイドルに出会う前の千歌は「何の取り柄もない、普通な女の子」でした。自分のことを「普通怪獣ちかちー」と言っています。1期13話で千歌のお母さんは「今度はやめない?」と千歌に問いかけました。ここからわかることは、今まで千歌は「ハマれる何かがなかった」、あるいは「やってもできないからすぐに投げ出す」のどちらか、もしくは両方を繰り返してきた人生を送ってきたんだと思います。そしてその繰り返しにより、「自分への自信」や「これだったら自分はできる」「自分といえばこれ!」というものがないまま高2になったことが劣等感情を生み出したのです。心理・発達の分野で使われる用語で言うと、「自己同一性の拡散(アイデンティティの拡散ともいう」(注)。一般に青年期と言われる、中学生から大学生あたりの年代は、「自分とは何か、自分は何が好きで、何ができるのか」を探す時期でもあり、千歌はその真っ只中にいます。

 

(注)自己同一性についてはこちらを参照

自己同一性 - Wikipedia

  

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そんな千歌にとってスクールアイドルとの出会いは大きな存在です。千歌のやりたいこと、夢、千歌といえばこれ!というものにようやく出会えたのです。だからこそ、彼女は「輝き」という言葉を多用しているのだと思います。自分はこんなことが好きで、これができる、自分の取り柄・・・。スクールアイドルは千歌のアイデンティティになったのです。だからこそ、あれだけ夢中で、本気になり、涙だって流してきたんだと思います。

 

そして、浦の星は統廃合になり、新たな目標がここに現れたのです。7話の最後に梨子は千歌にこんなことを言いました。

 

「ついに普通じゃない、本当の怪獣になっちゃうのかも。千歌ちゃんは」

 

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もしラブライブで優勝し、浦の星の名前が残ったら千歌は英雄です。梨子が言った言葉は、「取り柄のなかった千歌が偉大な人になるんだ」という意味で僕は解釈しています。大好きなスクールアイドルで、大好きな学校の名前を残す・・・。それは千歌にとって最高のことであり、千歌にとって最高のことを別の言葉で言い換えると「輝き」なのです。こういう視点からも、「輝き」の正体が何なのか考えることができます。

 

筆者とラブライブとの出会い

今回の物語と直接的な関連はないのですが、上に書いたことと関連するのでちょっとだけ書かせていただきます。

僕がサンシャインの1期の1話を見た時、ものすごく千歌に感情移入してしまったのです。「自分は普通で、夢中になれるものが何もなかった。だけどそれに出会えた」と砂浜で梨子と話していたシーンで。僕もハマれる何かに出会ったのは最近で、それまでは無趣味で何の特徴もない生活をしていました。しかし、ラブライブと出会って人生が大きく変わりました。これまでは「自分の好きなものは?趣味は?」と聞かれても何の答えも浮かばなかったのですが、今ではちゃんと答えられます(オタク話が通じる相手に限りますが)。ラブライブサンシャインという一つの作品と出会い、ツイッターではコミュニティが広がり、同人活動を始め、ライブや聖地巡礼に行ったり、アウトドアな楽しみもできました。僕が今幸せな生活を送れているのは、千歌たちのおかげなのです。だからあの砂浜で話していた千歌に「千歌がスクールアイドルと出会って変わったのと同じで、僕は千歌たちAqoursに出会って変わることができたんだ」って言いたいくらいです。

そして千歌の学校やラブライブに対する、「好きなもの」への本気で譲らない気持ちもよくわかります。なぜなら僕も大好きな「ラブライブサンシャイン」に対しては本気で応援したいからです。二次創作が好きなのはそういう気持ちがあるからであり、気持ちだけでは誰にも負けたくありません(あんまり偉そうなことが言える絵は描いてませんが)。絵で上手くいかないとき、周りのもっとすごい人と比較して自分のちっぽけさに悔しくなることも何度も感じては、千歌も投票数0を経験したとき、予選敗退したとき、そして今回の廃校になったときに同じような悔しい気持ちになったのかなあと、ふと想像します。自分にとっての「輝き」はラブライブサンシャインなのかな、と思ったり・・・。

長々と自分語りすみません・・・。でもこれは言いたかったのです・・・。

 

 

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次回は函館に!?セイントスノーに会いに行くのでしょうか?北海道にも聖地が!?そして花丸・・・(ダイエット回かな?いや、多分違う)

 

 

 

 

 

 

千歌と果南の互いを想う気持ち ラブライブサンシャイン2期6話 感想・考察

4話、5話と平和な日常回が続きましたが、今回は真剣な話。いよいよリベンジとなる地区予選・・・、そして廃校問題も目の前に近づき・・・

 

今回の主役は地区予選に向けて難関なパフォーマンスに挑む千歌、そしてかつてそのパフォーマンスで失敗した果南。二人の関係性と、千歌を支えるAqoursのみんなとの関係性についての感想を書きます。

 

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あらすじ

地区予選を控えたAqours。期待はされるものの、突破はかなり難しいと思われる・・・。そんな中、鞠莉とダイヤは自分たちが1年生だった頃に失敗したフォーメーションを提案するが、果南は猛反対。千歌はそれに挑むが、成功までの道のりはかなり過酷で、果南は期限までにできなかったら諦めろと言う。千歌は最後まで成功に導けず、くじけそうになるが、みんなの支えで乗り切り、そして・・・果南たちが乗り越えられなかった壁を突破したのだった・・・!!

 

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 3年生が越えられなかった壁、叶えられなかった夢を叶えてくれた千歌。話はそんな千歌の頑張りと心情を中心に進んでいきます。

 

 

 

失敗した身だからこそ言えた、果南の強い言葉

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今回の劇中の果南は初めから終わりまでわりときつめです。Aqoursに加入してから見せた優しい雰囲気やフレンドリーな雰囲気はどこへやら・・・、1期の加入前を思い出させる、冷たさやきつさを全体を通して感じました。しかし、これにはちゃんとわけがあったのです。彼女は頑なにかつて失敗したフォーメーションを千歌にやらせることを拒んでいました。なぜかというと・・・

 

取り返しのつかないことになって千歌に傷ついてほしくなかったからなのです。

 

 千歌のスクールアイドルにかける熱い想い、学校のことを真剣に考えていること、そして、千歌の性格・・・。果南は全部知っています。自分がかつて失敗し、そこからスクールアイドルをやめ、鞠莉との関係も悪くなった経験を持つ果南。その痛みがあるからこそ、千歌にはそうなってほしくなかったのでしょうし、もし千歌が同じ目に遭ったら、どれほど大きなショックを受けるか、彼女の目には映っていたのだと思います。だからあれほどにまで頑なに拒み、ついには「この日までできなかったら諦めて」という言葉が出たのだと思います。あの厳しい言葉の裏には、幼馴染を想う、どうにかして守りたいという強い愛情があったのだと、僕は思います。

 

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※もう一つの考えとしては、自分が新しい仲間とリベンジできる最後のチャンスを同じ形で壊して、みんなに傷ついてほしくない、といった考えも予測でき、ここの解釈は広めかな、と思います。

 

本人は気付いていない千歌の素晴らしさ

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続いては千歌について思ったこと。千歌はものすごく前向きで、どちらかというと悩むより身体を動かすタイプですが、彼女は自分が「普通」であることに大きなコンプレックスを抱いています。「普通」、言い換えると「自分に取り柄がない」と思っているのです。1期では運動神経抜群の曜と自分を比較している描写もありましたね。

今ではAqoursを結成し、スクールアイドルとして大きく成長した千歌ですが、そのコンプレックスはまだ消えてはいないようです。彼女は今の状態を学校のみんなや、Aqoursのメンバーのおかげで、自分は何もしていないと言っています。

ある意味でそれは普通の感覚です。「今こうしていられるのは誰のおかげだと思う?」って聞かれて「わたし!!」って即答する人はあまりいないでしょう。自分を過度に素晴らしいとアピールするのも、よほどの自惚れ屋でもないとしないですし、他人から引かれるでしょう。人は褒められたり、良いと言われたりしても謙遜する人が多いですし、ポジティブな側面よりもネガティブな側面に目が行きやすいです。なので、千歌の感覚は何もおかしいことはないのです。むしろ、彼女は自分に惚れすぎたりしない、良いところを持っているのです。

ただ、それを裏返すと彼女は自分の素晴らしいところに気付けていなくて、それを大事にできていないところがあるのです。千歌にとって最高に楽しいAqoursとの日々は、全部発起人の千歌のおかげであり、みんな千歌に感謝しているのです。その感謝に対して本人はどう思っているのでしょうか。他人をとても大事にしている千歌ですが、みんなからの感謝を受け止めて、自分のことも大事にしてほしいと思います。なぜなら、こんなにも素晴らしい魅力を秘めているのですから!

 

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千歌が一番思いをぶつけたかった相手はきっと果南

支えてくれているAqoursのメンバー、学校のメンバーに対する思いが強い千歌は、パフォーマンスを成功させるのはみんなのためだと思っていたに違いありません。途中の体育館での練習シーンで彼女は「支えてくれているみんなのために恩返しがしたい」と言って、練習に励んでいます。

 

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しかし、その中でもより「この人のために・・・」の思いが強かった相手は果南だと思います。過去に夢を叶えられず、二年という長い年月苦しんだ果南。千歌は果南のパフォーマンスの拒否、厳しい言葉の意味をわかっていたのだと思います。そして、その後の練習で失敗を続け、とても悔しがる千歌。あの悔しみは「みんなのために何一つできず、成長しない自分への悔しい気持ち」であると同時に、「果南が叶えられなかった夢を叶えさせることができない自分への悔しい気持ち」でもあったと思います。果南が差し出した「諦めて」というリミット。千歌は自分が諦めたくないのではなくて、果南に諦めてほしくなかったのだと思います。期限を与えられたとき、千歌はきっと心が痛んだと思います。そして必死になったんだと思います。全ては果南に予選突破という光景を見せるために・・・。果南が最後に言い放った「ありがとう・・・千歌」というセリフを聞いていると、千歌にはこういう気持ちがあったのかなあと、想像していました。

 

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全体をまとめると、この話は千歌と果南が互いのことを想い合った話なんだと僕は感じています。

 

 

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次回の題名は「残された時間」。いよいよ廃校問題の期限が間近・・・!?この流れだと8話くらいで学校の運命は決まってしまうのでは・・・